久保田 『その他活動領域』

  神奈川から湖国に愛をこめて
  ~地域医療の取り組み~

    久保田 亘

    (医1期 医療法人社団 久保田整形外科医院 理事長・院長)



 医学部1期生の久保田でございます。本学が昨年度開学50周年を迎えられたこと、誠におめでとうございます。また、この度栄えある湖医会賞をいただき、上本学長、永田湖医会長を始め諸先生方に感謝申し上げます。私は神奈川県生まれで、昭和56年に1期生として本学を卒業した後、横浜市立大学整形外科学教室に入局しました。各関連病院に勤務した後、地元平塚市で整形外科医院を開業し35年が経過しています。また、当初より「湖医会」関東支部会の代表幹事をさせていただいております。

 さて、これまでの経験から臨床医としてその役割を述べさせていただきます。その役割は人それぞれの考え方に違いがありますが、大学も勤務医・開業医も基本的には地域医療を担っており、その3本柱は、大学では臨床、教育、研究であり、勤務医・開業医は臨床、教育、医師会・行政であると考えています。

 私はこれまで臨床医として一般整形外科診療を中心に医療と介護のシームレスなリハビリテーションに取り組んできました。その中で、卒前教育は横浜市立大学で8年間医学部5,6年生に一般整形外科、スポーツ医学の臨床実習を行い、卒後教育は当院にて30年にわたり大学院生や若い医局員に整形外科プライマリケアの理解を深めてもらいました。さらに市内2つの地域医療支援病院から現在まで12年にわたり初期臨床研修医を迎え、地域医療における整形外科クリニックの役割について研修を行っています。また、医師会・行政については、平塚市医師会長として自治体の公衆衛生や保健衛生に関する業務に協力し、特に新型コロナウイルス感染症対応の「神奈川モデル」ではPCR検査や発熱外来、ワクチン接種等において平塚市医師会として協力できました。

 以上から、私なりに地域医療では自助、共助、公助の考え方が必要であり、それはまさしく近江商人が大切にした「三方よし」の経営理念と合致しているものと考えています。「医療による三方よし」は自らの医院が利益を得て事業を継続し、患者が医療サービスに満足し信頼を得、結果として地域医療に貢献することと言えるでしょう。

 さらに、彦根藩主井伊直弼は「人は上なるも下なるも楽しむ心がなくては一日も世を渡ることは難しい」という語録を残しています。これは、ストレスのある社会でも何か楽しむ心が必要だということではないでしょうか?即ち、「地域医療を担う大きな役割の中にも常に楽しむ心を持つ」ことが必要で、これが地域での医療を面白く、楽しくするのではないかと考えています。そして、私がこれまで多くの人や訪れた地域での出会いを「素晴らしき出会い」(幻冬舎)として一冊の本にまとめました。参考にしていただければ幸いです。

 最後に、滋賀医科大学の益々のご発展をお祈り申し上げます。

    【プロフィール】
1981年
国立滋賀医科大学医学部医学科卒業

横浜市立大学整形外科入局、2年間の初期臨床研修後、横浜市立大学医学部附属病院、

横浜市立市民病院、精ヨゼフ病院、神奈川県立足柄上病院、国家公務員共済連合会

平塚共済病院整形外科医長を経て

1989年
久保田整形外科医院を開設(院長)
2003年
医療法人社団久保田整形外科医院理事長兼院長 現在に至る